八ッ場ダムの今と過去の歩み年表|激動の半世紀から人気観光地への全貌

八ッ場ダムの今と過去の歩み年表|激動の半世紀から人気観光地への全貌

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ダム本体の完成間近となった2019年10月1日、安全性を確かめるための「試験湛水(たんすい)」が開始されました。通常であれば数カ月をかけて満水にする予定でしたが、開始からわずか10日余りが経過した10月12日夜、超大型の令和元年東日本台風(台風19号)が関東甲信越を直撃します。

降雨量は観測史上最大級に達し、利根川本流の各地で氾濫危険水位を超過する極限状況下、空っぽだった八ッ場ダムの貯水池は吾妻川上流からの濁流を一気に呑み込みました。わずか1晩で水位は約54メートル上昇し、約7,500万立方メートルもの雨水を貯留。国交省の事後検証によると、八ッ場ダムを含む上流ダム群の調節機能によって、利根川中流部の熊谷や八斗島地点において水位を約1メートル低下させたと推計されています。この治水効果は、下流の首都圏堤防決壊を瀬戸際で防いだ実績として大きく報道されました。

一方で、近年の気候変動と線状降水帯の多発化を背景に、ダムの治水能力に対する検証論議も続いています。上流部で雨が降らなければダムは下流の氾濫を防げないという限界や、環境負荷・維持管理コストの問題は依然として議論の対象です。それでも、八ッ場ダムが首都圏の水がめとして約1億750万立方メートルの有効貯水量を誇り、渇水時の水道用水供給源としても極めて重い責任を果たしていることは揺るぎない事実です。

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James H. Sterling

James H. Sterling

Environmental Science & Climate Journalist

James Sterling reports on renewable energy developments, climate policy, ecological conservation, and green tech innovations around the globe.